弥山の七不思議とは?弥山が「不思議の山」と呼ばれる理由についても紹介

弥山 七不思議 宮島スポット

宮島の背後にそびえる弥山は、ただの登山スポットではありません。

古くから島全体が神聖視されてきた宮島において、弥山は信仰の中心として特別な意味を持つ山です。

この山には、「消えずの火」や「干満岩」をはじめとした七つの不思議が語り継がれています。

それらは怪談や噂話ではなく、自然現象・修行の歴史・人々の信仰が重なり合うことで生まれたものです。

なぜ弥山は“不思議の山”と呼ばれてきたのか。そして、七不思議は何を伝えようとしているのか。

本記事では、弥山の成り立ちと七不思議の背景をひもときながら、実際に訪れる際の観光ポイントまでをわかりやすく解説します。

弥山を「登る山」から、「感じる山」へ──その視点で読み進めてみてください。

なぜ弥山は「不思議の山」と呼ばれてきたのか 

弥山が「不思議の山」として語られる背景には、単なる伝説だけでなく、古代から続く信仰の歴史と豊かな自然環境が重なってきたことがあります。

宮島の背後にそびえる標高535メートルの弥山は、島全体が聖地と考えられてきた宮島信仰の象徴的な存在として、古くから人々の畏敬を集めてきました。

その始まりは、嚴島神社の社殿が造られる以前にさかのぼり、自然そのものが神の宿る場所として崇められていたことにあります。

山頂付近に点在する巨石群や、手つかずの原始林は、古い人々にとって神秘的な存在であり、自然と信仰が切り離せない景観を形づくってきました。

さらに、806年に空海が弥山で修行を行い、霊火を灯したとされることが、山を「聖なる場」として確立させた大きな転機になりました。

空海はこの地に本堂を建立し、仏教的な聖地としての性格を際立たせることになります。

こうした歴史的な重層性に加えて、弥山には「消えずの火」や「干満岩」など、自然現象や修行の痕跡が重なった不思議な場所が多く点在しています。

そのため、単なる山としてではなく、人々の信仰や自然観が織り込まれた「神秘の山」として受け継がれてきたのです。

代表的な弥山七不思議

弥山には、自然現象や信仰、修行の歴史が重なり合うことで生まれた「七不思議」が伝えられています。

どれも単なる怪談ではなく、弥山が霊山として人々に向き合われてきた過程の中で語り継がれてきたものです。

ここでは、弥山の七不思議について紹介します。

1. 消えずの火

弥山の「消えずの火」は、弘法大師・空海が806年の修行時に灯したとされる護摩の火で、今日まで絶えることなく守られてきました。

この火は霊火堂にあり、広島平和記念公園の「平和の灯火」の元火としても使用されています。

2. 干満岩

干満岩は、標高約500mという高い場所にありながら、岩の穴に海の潮が満ち引きに合わせて上下すると伝えられる不思議な巨岩です。

塩分を含んだ水が入れ替わる現象には科学的な説明がまだ完全にはなく、その謎めいた姿が七不思議として語り継がれています。

3. 曼荼羅岩

曼荼羅岩は、弥山本堂の裏手にある大きな岩盤で、古くから弘法大師が梵字や真字、絵のような文様を刻んだと伝えられています。

昔の人々にとって、文字や図像が刻まれたこの岩は、修行の痕跡を今に伝える神秘の岩として大きな関心を集めてきました。

4.龍燈(りゅうとう)の杉

旧正月の夜、海の上に無数の灯のような光が現れるとされる現象が「龍燈」です。  

かつては観察地点として「龍燈の杉」と呼ばれる木が、弥山頂上にありましたが現在は枯れてしまいその姿をみることはできません。

目撃談は多くありませんが、自然と信仰が交差する象徴的な現象として語り継がれています。

5.拍子木の音

深夜、弥山の山中でカチーンと、拍子木のような音が聞こえるという言い伝えも残されています。  

その正体は分からず、天狗によるものだとする説もあります。

音だけが響き、姿は見えないことから、不思議な現象として恐れと敬意をもって語られてきました。

6. しぐれ桜

しぐれ桜は、晴れ渡った日でもまるで通り雨が降ったかのように露を落とすといわれる桜の木です。

この不思議な現象は、江戸時代の記録にも見られ、霊山としての弥山にまつわる話として語り継がれました。

ただし現在、この木は残っておらず、昔の姿を知る人の記憶として受け継がれています。

7. 錫杖の梅

錫杖の梅は、弥山本堂のそばで毎年美しい花を咲かせる八重の紅梅です。

伝説によれば、弘法大師が立てかけた錫杖(修法で用いた杖)が地に根付き、やがて梅の木になったとされています。

不吉な兆しがある年には咲かないとも伝えられ、古来より人々の暮らしと結びついた不思議な存在です。

弥山七不思議を体験するための観光ポイント

弥山七不思議は、単に「見るもの」ではなく、1200年以上続く弥山の信仰と自然が生み出した物語です。

弥山は弘法大師空海が開山し、古代から神聖な山として崇められてきた霊山であり、その歴史の中で多くの不思議が語り継がれています。

そもそも、弥山そのものが信仰と自然を一体化した場所であり、七不思議はその中で生まれた“痕跡”ともいえます。

実際に弥山を訪れる際は、自然・信仰・伝承の視点を意識しながら歩くことで、より深い体験が得られるでしょう

七不思議はすべて見られるのか

弥山七不思議は、現在でも見れるものもあれば、見れないものもあります。

例えば「消えずの火」や「干満岩」のように場所が特定できるものは訪問可能です。

しかし、旧正月に現れたとされる灯火や、深夜に聞こえたという音のような現象は、条件に左右されるため体験が難しいのが現状です。

また、「しぐれ桜」や「龍燈(りゅうとう)の杉」のように、すでに木が枯れてしまい、確認できないものもあります。

七不思議を巡る際の注意点

弥山は世界遺産の一部にも指定された神聖な山であり、信仰の場としての側面も持っています。

七不思議の多くは整備された観光地ではなく、自然の中に溶け込んだ伝承です。

立入禁止の場所や足場の悪い箇所もあるため、歩きやすい靴と装備を準備することが重要です。

また、不思議を“探す”ことばかりに意識が向きすぎないよう注意してください。

元来、七不思議は弥山という山自体の価値や空気感を感じることで理解が深まるものです。

静かな参拝・散策の気持ちで歩けば、自然と特別な体験になるでしょう。

弥山登山とロープウェーの使い分け 

弥山へ登る方法は、「登山」と「ロープウェー利用」の2つが代表的です。

ここでは、観光スタイルや体力に応じた弥山への登頂方法を紹介します。

ロープウェー

伝統的な修行道である登山道を歩くと、自然の移り変わりや信仰の痕跡を肌で感じられるメリットがあります。

一方、体力や時間に不安がある場合は、宮島ロープウェーを利用すれば、比較的楽に標高の高いポイントへアクセス可能です。

山頂付近の七不思議や史跡を巡る際は、ロープウェーと徒歩を組み合わせることで効率よく回ることもできます。

なお、ロープウェーは事前乗車予約が必要な日があるため、ロープウェーを利用する際は注意が必要です。

予約が必要な日については、ロープウェーの予約サイトからご確認ください。

宮島ロープウエー乗車予約 -MIYAJIMA ROPEWAY boarding reservation

登山

弥山登山は、自然や信仰の空気をじっくり感じたい方に向いた方法です。 

登山道は複数あり、いずれも原始林の中を歩くルートとなるため、道中で弥山の静けさや歴史的背景を体感できます。

 山頂までの所要時間は片道おおよそ1.5〜2時間程度が目安で、体力にある程度余裕がある方向けです。 

「不思議」を感じる空気感や、七不思議に通じる自然環境を深く味わいたい場合は、登山を選ぶ価値があります。

弥山の3つの登山コース

弥山の登山道は1つではありません。

信仰の歴史をたどる参詣道、自然を感じながら歩く渓谷沿いの道、原始林に包まれる静かな山道――弥山には、目的や体力に応じて選べる3つの登山コースがあります。


ここでは、大聖院コース・紅葉谷コース・大元コースの特徴について紹介します。

大聖院コ-ス

大聖院コースは、弥山登山の中でも歴史と景観が楽しめる王道ルートです。

この道は古くから参詣道として使われ、仁王門や石段が続く道を歩くことで、信仰の息遣いを感じながら山頂へと向かっていけます。

山頂まではおよそ1時間30分〜2時間ほどで、途中には展望の良いポイントや仏像などの歴史的な見どころも点在しています。

参詣の足跡と自然が調和する、弥山登山の定番ルートといえるでしょう。

紅葉谷コ-ス

紅葉谷コースは、弥山登山の中でも比較的歩きやすい初心者向けのルートです。

紅葉谷川沿いの緩やかな道を進み、森林の中を抜けて山頂へ向かっていきます。

所要時間は約1時間30分〜2時間程度で、前半は穏やかな登りですが後半にやや急な階段が現れるので、歩きやすい靴での登山がおすすめです。

秋にはモミジが色づき、景観美を楽しみながら歩けるのも魅力です。

大元コ-ス

大元コースは、弥山原始林の自然を存分に味わいたい方向けの自然派ルートです。

森林が深く、巨岩や原始林の景観に囲まれながら歩くこの道は、他のコースよりも少し長めで、山頂までは約2時間〜2時間30分ほどかかります。

途中で分岐点が多くなるため、道迷いに注意しつつ、草木や野鳥、巨岩の間を歩く静かな登山が楽しめるコースです。

まとめ

弥山は、宮島信仰の中心として古代から人々の畏敬を集めてきた霊山であり、自然・修行・伝承が幾重にも重なった「不思議の山」です。

七不思議と呼ばれる数々の伝承は、怪談ではなく、信仰と自然が長い時間をかけて結びついた結果として生まれてきました。

効率よく巡ることも、時間をかけて静かに味わうこともできる柔軟さが、弥山観光の大きな魅力といえるでしょう。

この記事のポイントは、次のとおりです。

  • 弥山の七不思議は、自然現象・修行の痕跡・信仰が重なって生まれた伝承である
  • すべての七不思議が現存するわけではない
  • 登山とロープウェーは、体力や時間に応じて使い分けることで無理なく巡れる
  • 不思議を探すよりも、静かに歩き、空気や景観を感じることが体験の質を高める

弥山七不思議は、「見つける」ものではなく、「感じ取る」ものです。

自然と信仰が分かたれなかった時代の価値観に思いを重ねながら歩くことで、弥山は単なる山ではなく、特別な場所として立ち現れてきます。

この記事を参考に、自分の体力や旅程に合った形で弥山を訪れ、1200年以上語り継がれてきた不思議と静けさを、ぜひ現地で味わってみてください。

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この記事を書いた人

讃美牡蠣とは、広島・宮島近海にて牡蠣の生産・加工・販売をしている高品質牡蠣ブランド。讃美牡蠣編集部では、宮島をフィールドに、広島の観光・食・地域文化をテーマにしたメディアを運営中。

観光客目線と地元目線のあいだに立ち、語られすぎていない事実や、実際に役立つ気づきを大切にしながら、情報発信しています。

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